理事長あいさつ

 
 日本はアジアの中で一足早く複式簿記を取り入れ、欧米型の資本主義を確立しました。特に大正期から各地に商業高校を作り、大企業や銀行だけでなく中小企業にも複式簿記を普及させたことが日本の近代化にも大きく貢献しました。
 
ベトナムは社会主義国家であることもあり、現在も殆どの中小企業に複式簿記が導入されておらず、導入していてもコンピュータ会計により、複式簿記の原理を全く理解しないまま、帳簿だけ作成している現状にあります。また、税制も3枚つづりのインボイスを利用した付加価値税中心で運営されてきています。しかしながら、ベトナム政府も日本の税制を学ぶ中から申告納税制度に基づく所得課税が緊要であることに気付き、日本の税制を参考に2007年税制改革法を成立させました。この法律に基づき2007年7月から税理士法が施行され、2008年中には申告納税に基づく所得課税が施行されることになっています。ところが、民間企業においては未だ複式簿記が普及しておらず、早急に複式簿記の定着を図ることが求められています。
 
1904年にベトナムは日露戦争に勝った日本に学び、フランスからの独立を勝ち取ろうと東遊運動を起こしました。一時は200人ものベトナム人が日本に留学して、軍事教練を受けたと聞きます。その運動は成功しませんでしたが、今日もベトナム国内には日本に多くの期待を持ち、日本に学ぶという考え方が根付いています。その為、日本語は英、仏、露の3ヶ国語と並んで中学・高校での第一外国語とされていて、未だ選択制とはいえ、中学から日本語を学ぶ方もいます。最近、ベトナムの中でも特にハノイ市に進出する日系企業が増えていますが、ここに働くベトナム人達、特に幹部クラスは少なからず日本語を理解しています。その為、会議を日本語で行っている企業さえある状況です。
 
このような背景から、日系企業に働き日本語をある程度理解できるベトナム人の方々に対して、将来のベトナムに必要な複式簿記を、日本語と合わせて教える事を目的に当協議会を設立しました。第一歩として、2008年5月より日系企業が多く集まるハノイ市のタンロン工業団地内で日本語簿記講座を開講し、数名の卒業生を輩出しました。今後は、タンロン工業団地内の活動を中心としながらも、ハノイ市内や他の工業団地での活動も予定しております。
将来はベトナム人によるベトナム簿記学校の開設も支援したいと考えており、いずれは、成績優秀者を日本の簿記学校に留学させると共に、将来はベトナム人によるベトナム簿記学校の開設も支援したいと考えています。
 
これからのベトナム社会主義共和国に必要な複式簿記の普及を通じて、ベトナムの国家発展、及び、日本とベトナムの友好のお手伝いができれば幸いです。                               (2008年12月)
Copyright(c) 2011 ABPV All Rights Reserved.